申告書を作成するとき、その基礎となる帳簿を作成するとき、また、その基礎となる行動をとるとき。
どのように行動し、どのように申告をするか。
税金を安くすることだけを考えるなら、収入をなかったことにし、存在しない経費や、本来経費にならないものを経費として計上すれば、申告する際の税金は安くなります。
いろいろと書類をごまかすことで、本来今期課税対象となる金額を安くすることもできます。
しかし、それではうまくいかないことはなんとなくお分かりだと思います。
税務調査があるからです。税務調査を受けてそのような誤魔化しがばれてしまったら、重加算税が賦課され、余計な税金を納めることになりますし、何より、数年分の税金がまとめて課されますので、資金繰りに影響も出るでしょうし、調査官がいろいろと調査していく中で、取引先にも不審を抱かれ、調査の結果が気になって仕事に集中できないなど、いいことはありません。
一方で、調査でとやかく言われるのが嫌なので、多めに納めておく という考え方もあります。
会議費で認められると思うけど、交際費にしておく。とか、修繕費で認められるかもしれないけど資産計上しておく。とか。
このような態度もよくないと思います。
規模にもよりますが、完全に正しく、議論の余地のない金額の申告をすることは困難です。
玉虫色の現実を、税法が定めた要件に当てはめていくので、どうしても判断が二分するところが出てくるのが当然です。
では、どうすればいいのでしょう。
経営者の皆様はご商売に専念してください。稼ぐ力は経営者の持つ力であり、強みです。強みを生かして、どんどん稼いでください。
そして、少しだけ税に関心を持ってください。皆様のご商売で得た成果や、使ったお金が、どのように申告されるのか。それだけ、理解しておいて下さい。そして、記帳や申告はそれを強みとする人に任せましょう。
経理を担当する従業員を雇い、申告は税理士に任せましょう。経営者は自分の商売が「儲かってるのか」「金はあるのか」を理解しておけば大丈夫です。
新しいことや、いつもと違うことをする際には、経理担当者や税理士に相談してください。ほんの少しの手続きで、税負担が軽くなることもあります。やってしまってからでは手遅れです。
ご商売の規模が小さく、従業員を雇う余裕がない場合もあると思います。そのような場合には、ご自身で経理するよりほかありません。
税理士にお任せすればいいじゃないか と思われるかもしれませんが、お手元で、いつでも「儲かってるのか」「金はあるのか」を把握できるようにしておくことは、経営の基本です。
これが月に1度(またはもっと長いスパン?)でしか把握できないのでは経営が成り立ちません。
もちろん、簿記の原則に則って正確な記帳をすべきですが、簿記の技術は経営者には不要です。経営に必要な数字を
把握できるようにしておけば大丈夫です。
今日はこの辺で、このお話も、また続きます。